新しいMacBook Proが発売されて以降、その超弩級とも言えるパフォーマンスの高さが注目を集めている。その際に見落とされがちな特長として、M1シリーズのチップならではの低消費電力がある。むしろ高性能になった分、エネルギー消費量も多くなり、バッテリーの持ちも悪くなったと考えている人も多いのではない...
新しいMacBook Proが発売されて以降、その超弩級とも言えるパフォーマンスの高さが注目を集めている。その際に見落とされがちな特長として、M1シリーズのチップならではの低消費電力がある。むしろ高性能になった分、エネルギー消費量も多くなり、バッテリーの持ちも悪くなったと考えている人も多いのではないだろうか。
ノートパソコンの実際のバッテリー寿命は、バッテリー容量などの仕様だけから類推するのは難しい。それはCPU性能を、コア数やクロック周波数などの仕様だけから類推するのが難しいのと同様だ。実際にはそれ以上に困難だろう。というのもバッテリー寿命は、CPUやGPU、あるいはディスプレイといった部品による流動的な消費電力に大きく影響されるだけでなく、何よりユーザーによる使い方によっても大きな違いが出てくる…
超パワーなM1 Pro/M1 Max搭載のMacBook Pro登場 新型AirPodsも! 第19回
M1ならではの低消費電力を堅持
新「MacBook Pro」高性能チップを搭載しても破格のバッテリー寿命!
2021年11月13日 12時00分更新
文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII
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M1 Maxを搭載したMacBook Pro 16インチ
新しいMacBook Proが発売されて以降、その超弩級とも言えるパフォーマンスの高さが注目を集めている。その際に見落とされがちな特長として、M1シリーズのチップならではの低消費電力がある。むしろ高性能になった分、エネルギー消費量も多くなり、バッテリーの持ちも悪くなったと考えている人も多いのではないだろうか。
そこで、先入観を打破するためにバッテリーベンチを実施した。結果を報告する。
まずはバッテリー・電源まわりの「仕様」を確認
ノートパソコンの実際のバッテリー寿命は、バッテリー容量などの仕様だけから類推するのは難しい。それはCPU性能を、コア数やクロック周波数などの仕様だけから類推するのが難しいのと同様だ。実際にはそれ以上に困難だろう。というのもバッテリー寿命は、CPUやGPU、あるいはディスプレイといった部品による流動的な消費電力に大きく影響されるだけでなく、何よりユーザーによる使い方によっても大きな違いが出てくるからだ。
それでも、まずはMacBook Proとしての電力関連の仕様を確認するところから始めよう。チェックするのは、本体に内蔵するバッテリーの電力量(Wh=ワットアワー)と、付属する電源アダプタのワット数だ。これらの数値を、昨年発売されたM1チップ搭載のMacBook Airおよび13インチのMacBook Proと比較してみよう。
現行MacBookシリーズのバッテリ容量と電源アダプタのワット数
バッテリ容量を見ると、M1のMacBook Airが約50Wh、M1のMacBook Pro 13インチモデルが60Wh弱、M1 ProのMacBook Pro 14インチモデルが70Wh、そしてM1 MaxのMacBook Pro 16インチモデルが100Whとなっている。これらの違いは、単に本体サイズの違いによるものではなく、計算ずくの容量であることが後でわかる。言い換えれば、本体内部の空間の余った部分にバッテリーを入れたというようなものではなく、目標動作時間を設定し、それに必要な容量を選んだものだと考えられる。
違いの大きさに驚くのは、バッテリーよりも電源アダプターの方だ。MacBook Airに付属のアダプターは、かなり小型で出力は30Wしかない。M1のMacBook Proは、その2倍の61Wもある。さらにM1 ProのMacBook Pro14インチは96W、M1 MaxのMacBook Pro16インチに付属のアダプターは巨大なもので140Wもある。
左が16インチモデルの140W電源アダプター、手前が14インチモデルの96W電源アダプター
なお、MacBook Pro 14インチモデル用には2種類の電源アダプターが存在する。8コアCPUのM1 Proを搭載するモデルに付属する67Wのものと、10コアM1 ProまたはM1 Maxを搭載するモデルに付属する96Wのものだ。今回のテストでは、10コアCPUのM1 Pro搭載モデルを使用したので、電源アダプターの出力は96Wとなっている。
こうした出力の違いを知ると、特にM1 Maxでは、本体使用時の消費電力が大きいのかと思われるかもしれないが、この数字は必ずしも消費電力の大きさを意味しない。電源アダプターの出力は、バッテリーの充電時間に大きく影響する。つまり、ここでもはじめにバッテリーの充電時間を設定し、それを達成するための出力を確保するために、アダプターが設計されたと考えられるのだ。YouTube上のテスト用プレイリスト
昨年のM1搭載機を上回るバッテリー持続時間
今回も、以前にM1チップ搭載のMacBook AirおよびMacBook Proのバッテリー持続時間をテストした際と、まったく同じテストを実施して、上の仕様比較表にも挙げた全4モデルの結果を比較することにした。テストは、YouTube上にある動画を連続再生し、バッテリーがフルの状態から残量が0%になって、強制的にスリープ(正確にはハイバネート)状態になるまでの時間を計測するというもの。
YouTube上のビデオは、アップルの過去の製品発表イベントの公式ビデオを、のべ30本(合計約30時間分)つないでプレイリストにしたものをSafariで再生する。フォーマットは1080pで、再生中はフルスクリーン表示とした。画面の明るさは通常の使用状態に近いと思われる、オンスクリーン表示で目盛り6個が点灯した状態に設定した。音声のボリュームは、画面を見ていなくても再生が確認できる最小限の、目盛り1個が点灯した状態とした。
なお、アップルが公表している仕様として、いずれのモデルについても「Apple TVアプリのムービー再生」が可能な時間がある。この場合、ダウンロード済のムービーなのか、ストリーミング再生なのか、細かい条件の明記がないが、今回のテストはYouTubeのビデオなので、当然ながらWi-Fi経由でストリーミング再生している。もしかすると、アップルのテストよりも厳しい条件となっているかもしれない。
ちなみに4モデルの仕様上のApple TVムービー再生時間は、以下のようになっている。
仕様上のApple TVムービー連続再生時間
M1以降のMacBookシリーズの仕様では、いずれも20時間前後という数字だ。この表には挙げていないが、いずれも従来のインテル製CPU搭載のMacBookシリーズに比べてかなり長い時間となっている。たとえば、第8世代のインテルCoreシリーズのCPUを搭載した2020年のMacBook Pro 13インチモデルでは10時間、2019年のMacBook Pro 16インチモデルでも11時間というのが公式な仕様だった。この中では、新しい14インチモデルの再生時間がもっとも短くて最大17時間となっているのが気になる。本当に他のモデルに比べてバッテリーの持続時間は短いのだろうか。
それでは実際のM1シリーズのYouTubeビデオの連続再生時間のテスト結果を、まずは表で確認しよう。
実際のYouTubeビデオの連続再生時間
今回のテスト結果では、特に14インチモデルだけ短いということはなく、M1搭載の13インチモデルよりも長い、22時間に迫る結果となった。それでも、16インチモデルは、約22時間半と、これまでの最長不倒を記録している。もう少しで24時間に届きそうな時間だ。なお、M1搭載のMacBook AirとMacBook Proのデータは、昨年の発売直後に計測したものをそのまま掲載した。グラフでも確認しておこう。
YouTubeビデオの連続再生時間のグラフ
今回のM1 ProとM1 Maxのテストでは、システム環境設定の「バッテリー」で、「ディスプレイをオフにする」を「しない」に、「バッテリー電源使用時はディスプレイを少し暗くする」をオフに、「バッテリー仕様時のビデオストリーミングを最適化」はオンに、そして、エネルギーモードは「自動」に設定している。
連続ビデオ再生テスト時の「バッテリー」設定
必ずしもバッテリー寿命が最長となる設定ではない。それでも、これだけ高性能なSoCを搭載したMacBook Proでの連続ビデオ再生が22時間前後となるのは、驚異的と表現する以外にない。バッテリー残量がゼロの状態から100%になるまでの充電時間
さらに1段階ギアを上げて短縮したバッテリー充電時間
最初に仕様として示したように、今回のMacBook Pro 14/16インチモデルは、いずれもこれまでのモデルよりもかなり大きな容量のバッテリーを搭載している。そこでも述べたように、その容量は一定以上のバッテリー持続時間を確保するために決められたものと考えられる。その結果が、22時間前後というビデオの連続再生時間として現れているわけだ。
しかし、バッテリーの容量が大きければ、充電にもそれなりの電力量が必要になる。そのためにワット数の大きな電源アダプターを付属している。はじめに表で示したように、M1 Pro搭載モデルで96W、M1 Maxでは140Wと、かなり大きなものだ。それらの電源出力は、バッテリーの持続時間とは逆に、一定以下の充電時間を達成するために設定されたものと考えられる。
バッテリー持続時間のテストを実行して、バッテリー残量がゼロになったところから、表示が100%となるまでの時間を計測した。まずは表で確認しよう。
昨年に登場したM1搭載の2モデルが、2時間半強の充電時間だったのに対し、新しい14/16インチのMacBook Proでは、なんと1時間も短縮し、1時間半強の充電時間となっている。半分にこそなっていないが、従来モデルの約6割の時間となっている。これは非常に大きな意味のある短縮だ。グラフで見れば、その違いを実感できるだろう。
バッテリーをフル充電するのに要する時間のグラフ
なお上で確認したように、今回のテストでは充電時に「バッテリー充電の最適化」はオンにしている。場合によっては、必ずしも最大容量まで充電されない可能性もあるが、テストに使用したマシンは、まだバッテリーの充放電回数が数回未満の新品なので、それには該当しないだろう。いずれにせよ、テストではバッテリー残量表示が100%となるまでの時間を計測しているので、充電が途中で止まっていないことは確認している。
新しいMacBook Proは、すでに別記事「M1 ProとM1 MAX比較「新MacBook Pro」緊急ベンチマークテスト結果公開」でも報告したように、昨年のM1搭載モデルと比べてもCPUやGPUのパフォーマンスはかなり大きく向上している。それでいて、バッテリーの持続時間は実用上変わらないどころか、むしろ長くなっている。そのうえ、バッテリーの充電時間も大幅に短縮されている。つまり、普通ならパフォーマンス向上の犠牲になる部分が、何一つ犠牲になっていないのだ。その点だけでもユーザーにとっては非常に「ありがたい」アップグレードだと言える。
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