24 時間眠らない空港の社内業務システムを Microsoft® Windows® 2000 Advanced Server で効率化 関西国際空港株式会社 (以下、関空会社) では、業務システムにおけるさまざまな情報を Microsoft Windows NT® Server 4.0 を使って...
24 時間眠らない空港の社内業務システムを
Microsoft® Windows® 2000 Advanced Server で効率化
関西国際空港株式会社 (以下、関空会社) では、業務システムにおけるさまざまな情報を Microsoft Windows NT® Server 4.0 を使って管理していました。従来のシステムでは、広い構内に約 550 台のクライアントが散在し、部署ごとのアクセス権限の設定が複雑であり、1 か月に多いときには数十名規模におよぶ人事情報の更新の煩雑さが管理者の悩みでした。しかし今回、新しく Windows 2000 Advanced Server を導入したことで、 Active Directory® によるシステムの一元管理やリモート管理によるメンテナンスの簡易化を図ることができました。これにより、人事異動によって生じたスタッフの登録情報の更新遅延も最小限に抑えることができるようになり、構内に点在するワークステーションのメンテナンスもリモート管理が可能になりました。目指したのは、24 時間眠らない空港 にとって必修である「止まらないシステム」の実現です。
<導入の背景と狙い>
広い構内に点在する約 550 台のワークステーションのメンテナンスと
人事異動によるクライアント情報更新の即時性をめざす
関西国際空港では、これまで Windows NT Server 4.0 と Microsoft Exchange Server 5.0 を基盤として空港の運営全般にわたって多様な情報システムを運用してきました。システムを利用するスタッフは、 1 人 1 台の割合でワークステーションを使用するため、空港全体として常時、約 550 台のワークステーションが稼動していることになり、それだけでもメンテナンスには多くの手間と時間がかかっていました。その上、多いときでは月に数十人単位で人事異動が発生することもあります。 Windows NT Server 4.0 を使用しているときには、ユーザーの管理、アクセス権の管理、メールボックスの管理を個別に設定する必要があり、一元的にユーザー管理ができなかったことがシステムの煩雑さを増していました。実際に、システムごとに個別のユーザー ID やアクセス権の設定がリアルタイムに更新できないことで、登録された情報の更新に漏れが生じることもあり、新しい職場に配属されたスタッフが既存の登録情報をすぐに利用できない状況だったのです。
「この問題の解決と、セキュリティの強化を行うことが、今回のアップグレードでの最大の目的です」 (関空会社 施設整備本部 空港計画部 情報システム課 課長 村上康夫氏)
<マイクロソフト製品を選択した理由>
ユーザー情報の一元管理とセキュリティの強化が
Active Directory の魅力
Windows NT Server 4.0 のドメインは、部署単位でユーザー情報やワークステーションの管理は可能でしたが、ドメインとドメインを階層的に管理することや、部署単位でドメインに登録されたリソースを他のドメインに移し変える操作は容易ではありませんでした。また、ドメインと Exchange Server 5.0 の管理コンソールなどもサービスごとに画面を切り替える必要があり、 Active Directory が提供するスマートなドメインとサービスの一元的な管理が望まれていました。
「関空会社では人事異動が多いものですから、ユーザー情報やクライアントコンピュータ情報、ユーザーのメールボックスなどを Active Directory で一元管理できることは大きな魅力でした。アクセス権の管理 (ユーザーデータの保護) も Active Directory を使うことで容易になるという期待がありました」 (関西国際空港情報通信ネットワーク株式会社 情報システム部 情報システム第二課 主任 田中雅和氏)
「Windows NT Server 4.0 を基盤として構築されたシステムに不都合があったり、システムの安定性に問題が生じたということはありません。システムのリースアップの時期が近づきアップグレードを考えたとき、これまで構築したシステムやリソースが継承できること、クライアントアプリケーションに Microsoft 製品の利用が多いことから、総合的に評価して Windows 2000 Advanced Server を選びました」 (関空会社 施設整備本部 空港計画部 情報システム課 係長 松本和博氏)
Windows NT Server 4.0 の資産をそのまま継承でき、Active Directory を使うことによって、より統合的にシステムを管理できることが大きなポイントとなっています。
<システムの概要と特徴>
人事部門のデータベースと Active Directory を連携
きめ細かなアクセス権の設定によりセキュリティ強化を実現
関西国際空港の情報システムは、『社内業務を円滑に進めるためのシステム』と『空港を利用されるお客様にサービスを提供するためのシステム』に大別することができます。今回、Windows 2000 Advanced Server にアップグレードしたのは社内業務システム用のネットワークサーバとお客様に提供する情報を蓄積した旅客サービス支援システム (IPAS) です。ネットワークサーバは、Active Directory を採用しました。通常、ドメインの管理は、Active Directory 管理コンソールからおこないますが、Active Directory にはドメインに対するプログラミングのための ADSI インターフェースが公開されています。そのため、Active Directory のオブジェクトモデルに沿ったきめ細かなサーバーアプリケーションの構築が可能で、定型化されたドメインの処理をアプリケーションによって集中的に行うことができます。
「人事課で作成された既存の人事データベースのデータを ADSI(Active Directory Service Interface) を利用して Active Directory に取り込むしくみを構築しました」 (田中氏)
従来の部署のセキュリティ管理では、所属部署単位で閲覧できるフォルダのアクセス権やシステムの管理操作のための権限を設定していました。しかし、人事異動により部署が変わると、現在、所属しているドメインのアクセス権や権限も必要に応じて、他のドメインに移動させなければなりません。このときに既存のアクセス権やユーザーの権限を移動先の部署に正確に反映することがシステム管理者の負担となっていました。
「セキュリティ管理の面では、たとえば同じ会社に属する同僚でさえも所属部署が違えば閲覧できるデータの制限が違ってきます。このような個々のアクセス権の設定も行っています。また人事異動により、権限の引継ぎ設定を取りこぼすことがなくなりました」 (松本氏)
<導入結果>
辞令と同時に配属先でシステムが利用可能に
サーバーから集中管理を行うことで運用コストを削減
関空会社の Windows NT Server 4.0 から Windows 2000 Advanced Server への移行は、2002 年 3 月のほぼ 1 か月という短期間で完了しました。Windows NT Server 4.0 のドメインから Windows 2000 Advanced Server で利用可能な階層構造をサポートしたドメインへの移行は、Active Directory 移行ツール (ADMT) を活用しました。このツールにより、システム移行に伴う処理でとくに苦労したことや工夫が必要だったことはなく、Windows NT Server 4.0 の導入に比べて短期間に Windows 2000 Advanced Server に移行できたそうです。
「この 4 月にも大きな人事異動があったのですが、従来のシステムでは 3~4 日かかっていた数十人分のユーザー登録などの作業が 1 日で負荷なくできるようになったというのが実感です。これまでは配属に登録が間に合わず、職員が新しい部署でワークステーションを利用できない期間が生じることもありましたが、今は辞令と同時に移行できています。Active Directory を利用することによって、一元管理できることが大きな力になっていると思います」 (田中氏)
広い構内に散らばった約 550 台のワークステーションを管理する上で、リモート管理にも期待が寄せられています。
「Microsoft Systems Management Server 2.0 により、いつもクライアントのワークステーションまで足を運ぶ必要がなくなり、かなり管理が楽になっています。リモートメンテナンスというところまでは至っていませんが、クライアントからのリクエストに対しては、Windows XP Professional へクライアント OS のアップグレードが終わった部分から、今まで現場に行かなければ対応できなかったメンテナンス作業が、サーバー側に居ながらにして行え、スピーディに対応できるようになってきています。近いうちにクライアント側はほとんど Windows XP に移行する予定ですので、それに伴って運用コストの削減はさらに進むと期待できるでしょう。『止まることが許されない空港の管理システムの構築』が容易になったと感じています」 (田中氏)
また、クライアント側の利便性が高まると同時にセキュリティ管理も重要になってきます。
「Active Directory の設定のほかにも、レプリケーションによって情報を複製できる点が助かっています。24 時間眠らない空港にとって『止まらない』システムであることは、空港を利用されるお客様へのサービス面でも重要ですが、Windows 2000 Advanced Server にしたことで安定性と安心感が増したと感じています」 (村上氏)
<今後の展望>
Windows ファミリによる安価で安定したシステムが導入可能に
空港とお客様の間をつないだ双方向のサービスを実現
関西国際空港では他の空港との差別化のために、IT を活用した利用客向けサービスの開発にもたいへん力を入れています。お客様の問い合わせに迅速な対応をするための旅客サービス支援システム (IPAS) 、国際線の出国手続き後のエリアに設置されたインターネットによる情報提供やWebメールを無料で利用できる「e Stand」、空港の自由に出入りできるエリアに設置されたコイン式インターネット端末「@Station」 (100 円で 10 分間利用可) など、関西国際空港独自のユニークな試みもあり、これらのプラットフォームにも Windows が採用されています。
「これまではひとつのサービスを構築するためには莫大なコストがかかっていましたので、いわば“定食”的な一方通行のサービスしか提供できませんでした。しかし技術が進み、 Windows シリーズなど汎用のシステムが利用しやすくなったこと、ハードウェアが安くなったことによって、新しい技術を柔軟に取り入れやすくなってきました。関西国際空港は日本だけでなくアジアの拠点となる 24 時間稼動する空港ですので、いくら安価に実現できても不安定なシステムではかえって重大な問題が起きるため、慎重にならざるを得ない面もあります。しかし Windows を利用し、気軽に導入可能なコストでなおかつ安定したシステムの構築を実現できれば、お客様にも参加していただける双方向のサービスを豊富に提供していけると考えています」 (村上氏)
Web を利用した情報発信も積極的に行っています。空の旅のポータルサイトをめざし、2001 年 12 月に Web サイトをリニューアルしました。このサイトでは、空港内施設情報だけでなく、Microsoft Internet Information Service 5.0 と Microsoft SQL Server™ 2000 で管理されたフライト情報を 10 分間隔で更新しています。情報の収集には、自宅やオフィスのパソコンだけでなく、これから海外に出かけようとしているお客様に対しても、携帯電話の i モード や J スカイ からフライト情報の閲覧ができるようにしています。また、Web サイトの日本語と英語の表示は当然のこととして、2002 年 FIFA ワールドカップ開催を契機に韓国語と中国語での表示も可能になりました。今後は、直営ショップの E コマースなども視野に入れ、フライト情報以外にもお客様に役立つリアルタイムな情報を発信できるよう力を入れることで、サービス部門にも Windows 2000 Advanced Server の堅牢性を、発展的に活用していきたいとのことです。
「海外旅行では、チェックインの時刻と出発時刻の間に待ち時間が発生します。こうした時間を楽しく過ごしていただくためのサービスを提供していくためにも、汎用的でなおかつ安定性の高い Windows 2000 シリーズを有効に活用していきたいと考えています」 (松本氏)

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