Microsoft® .NET を活用した独特な顧客体験で 小売販売の売り上げを大幅に改善 Trans World Entertainment 社(以下 Trans World 社)は、Microsoft .NET を採用し、パーソナルな顧客体験の提供を可能にしながら「ひやかし客を購入客に」変え...
Microsoft® .NET を活用した独特な顧客体験で
小売販売の売り上げを大幅に改善
Trans World Entertainment 社(以下 Trans World 社)は、Microsoft .NET を採用し、パーソナルな顧客体験の提供を可能にしながら「ひやかし客を購入客に」変えるプロジェクトを立ち上げました。顧客のエンターテイメント嗜好に合わせて体験をカスタマイズし、店舗とオンラインで幅広いタッチポイント(接触機会)を用意。.NET ユーザー体験と統合することによりブランドの知名度を上げ、顧客を FYE.com や小売店舗に誘導します。また .NET Passport との統合により、顧客がいつでもどこでも同一の ID でアクセスすることを可能にしました。さらに .NET Alerts を活用することにより、購入プロセスを簡素化し、利用できる端末の種類を多様化しました。初期段階におけるマーケティング調査で、同社の実店舗での「ひやかしから購入へ」の換算率が大幅に改善されており、本格稼働とともに収益も向上されるものと同社では予測しています。
<導入の背景>
店舗と IT の相乗効果を引き出し、競合との差別化をめざす
2000 年の初め頃、Trans World 社の上層部ではあるプロジェクトチームが組まれました。それは、同社の商品ベースのビジネスで IT を活用することにより、競合との差別化を図ることができないかというものでした。見るだけのひやかし客を購入客に変えることがプロジェクトの主な目的でしたが、Trans World 社としては、将来必然になるであろうオンライン販売への転換も、長期的な投資の目的としていました。そして、社内的に「 E-Works 」と命名された戦略が誕生しました。
Trans World 社ではすでに業界でも最大級の製品情報カタログをもっており、最先端の在庫管理システムを備え競争力を発揮していました。これらの資産を有効的に活用するためには、動的なインフラを構築して説得力のあるオンライン体験をさせ、店舗との相乗効果をもたらしながら付加価値を提供できるようにする必要がありました。「当社の店舗の内 700 か所はショッピングモールにあり、その顧客の大半は特定の商品購入を検討している顧客ではなく、ただ単に見にきている客です。こういったお客様の 1 パーセントを購入客に変えることができれば、それは 5000 万ドルの売り上げ増につながります」とマーケティング担当副社長のマークホーガン氏は語っています。
「音楽の購入量は人々の音楽体験レベルと比例するものであるため、接触機会を最大限増やすと同時に、豊かなインタラクティブ体験を提供して付加価値を高める必要があります」(ホーガン氏)
Trans World 社では戦略を作っていく過程で、インタラクティブ性のある一貫したサービスをすべてのブランドで提供するためには、店舗ブランドとの統合が必要であることに気づきました。そこで、ショッピングモールで展開している店舗ブランドの 1 つ「 For Your Entertainment 」(FYE)を採用することが決まりました。また、単なるサイト構築や新しいサインをいくつか導入するといったことだけでは FYE ブランドに高い付加価値を与え、売り上げに貢献することはできないであろうということも初期段階で判断しました。
2000 年の夏に入り、プロジェクトチームは外部から専門家の助けを借りることにしました。いくつかの提案を検討した結果、Diamond Cluster 社を起用することにしました。次に、様々な産業における CRM(カスタマリレーションシップ マネジメント)も研究しました。音楽やビデオの小売業の場合、顧客への働きかけは基本的にセールスポイントで実施されるものが多く、内容としては割引やポイント制で一定量購入後に商品を無料でプレゼントするといった施策が中心です。価格競争に向かうことなく、高い付加価値を提供することに重点をおきながら、カスタマーロイヤリティを獲得しているすべての施策の共通パターンがみえてきました。それは、一人一人の顧客を詳細に知ることにより、非常に関連性の高いパーソナルサービスを提供しているということです。Trans World 社もこのようなアプローチをとり、パーソナルな対応によってより高い価値を提供しようという方向性を決定ました。
<ビジネスの課題 1 >
Web サイト、店舗内試聴ステーション、キオスクの連携
Trans World 社では顧客との最適な”接触機会”を割り出すために、ターゲットの各統計グループごとにシナリオを作成し、各グループで FYE における理想的なパーソナルサービスとはどのようなものなのかを検討しました。それぞれの選択に対してビジネスケースをつくり、タッチポイント(接触機会)のミックスやそれらの機能的条件などを決めました。この一連の作業が完了したところで、テクニカルチームの課題となる 3 つのオプションが確認されました。
FYE.com :顧客がエンターテイメントの選択や商品の購入のためにアクセスできる FYE ブランドのパーソナル Web サイト。
店舗内での視聴ステーション:バーコードのスキャナが装備されており、顧客は音楽や映画の予告編などを視聴することができます。
店舗内キオスク:音楽や映画の予告編の視聴だけでなく、詳細な検索や特別注文などもすることができます。
このような複数の”接触機会”を介して説得力のある顧客体験を提供するためには、既存システムのデータを抽出することと、一人一人に対してパーソナルサービスを提供するための個人の特定が必要でした。また、この段階で解消しなければならない課題が 2 つありました。
( 1 ) コストパフォーマンスの良いコンテンツ配信ネットワークの設計
まず最初に、プロジェクトチームは基幹システムにある豊富なカタログ情報を店舗の端末を通して提供するために、コンテンツ配信ネットワークの検討に入りました。どうやってストリーミング メディアを店舗に供給するかも課題として挙がりました。
「当初は集中システムによる各店舗への配信を検討していたのですが、インフラにかかるコストが膨大でした。そこで我々は Microsoft Windows® 2000 ベースで構築されたサーバーを各店舗に配置して、システムでサポートされているインターネット標準の技術を活用して基幹システムからカタログ情報のデータを引き出し、内蔵されているストリーミングメディア機能を使って店舗内の端末を稼動させることにしました。これにより各店舗とデータセンターを結ぶネットワークが小規模で済み、700 店舗の端末 2 万 5000 台をサポートするような集中ストリーミングメディアプラットフォームを構築する必要もなくなりました」と FYE 担当の技術最高責任者であるスティーブ・スキバ氏は語っています。
( 2 ) 視聴ステーションの構築
コンテンツの配信ネットワークのアーキテクチャが決定したところで、チームは次に店舗内の視聴ステーションに注目しました。まず最初の選択は市販されている既製の端末を購入するというものでした。しかし、残念ながらこのような端末を提供できる業者はリースでしか対応していないため、Trans World 社のように 2 万 5000 台も必要な場合は膨大な費用がかかるということでした。また同社としては、収集された顧客データすべての所有権を保持したかった点からも不都合でした。さらに既製の端末では、業者が提供している機能に限定されてしまい、そうなるとほぼ確実に他社にも提供されているものと同じになってしまいます。それでは戦略の中核である「競合よりも多くの付加価値を提供する」ということに反することになってしまいます。
他にもっと良い方法があるに違いないと、Trans World 社は市販のテクノロジを活用して自社で端末を開発することにしました。いくつか検討した後、Windows CE の Microsoft Windows Media ™ Technology を採用することに決めました。この判断で重点を置いたのは顧客体験の質と、コンテンツ配信ネットワークのバンド幅やハードウェア条件です。
「 Windows Media Player ならサーバーのソフトウェア ライセンス料金が低く、軽いファイルで質の高い顧客体験を提供できます。特に後者については一見あまり重要でないように思えますが、店舗のサーバーで音楽 90 万曲以上と映画予告編 1 万件以上を管理するとなると、ハードウェアのコスト面での差は膨大なものになります」(スキバ氏)
( 3 ) 店舗内キオスク
チームは次に店舗内キオスクに注目しました。キオスクに必要なインフラを構築する上で、有利な実例がなかなか思い浮かびませんでした。しかし店舗に設置される視聴ステーションを稼動させているサーバー上にインフラを構築できれば、発生する増分費用がかなり低くなるため、キオスクは収益に悪影響を及ぼさない補完的なものとなりました。
キオスクを稼動させるために、Trans World 社は Windows XP Professional を採用。内蔵されている Windows Media Technology は視聴ステーションと同じファイル形式を取り扱います。そして、特別注文機能は店舗サーバーのユーザーフレンドリーなインターフェイスにより提供されます。「店舗内キオスク用には、確固たる信頼性と必要なマルチメディア機能がすべて揃っている Windows XP Professional を採用しました。Windows XP Professional で当社のキオスクを稼動させるということは、既存の安価なテクノロジでも、オリジナリティの高いビジネスニーズに対応させることができるという良い例です」とスキバ氏は語っています。
<ビジネスの課題 2 >
商品データベース連携とブランド戦略、体験の一元性
2001 年の春、視聴ステーション、キオスク、Web サイト、そしてコンテンツ配信ネットワークの開発は順調に進んでいましたが、この年に FYE を立ち上げるために、Trans World 社が乗り越えなければならない高いハードルがまだいくつか残っていました。
( 1 ) カタログ情報データの再利用
より豊かなサービスを実現するために、Trans World 社では新しい端末にカタログ情報データを適用できるようにする必要がありました。データは Oracle のデータベースで保管されていましたが、コンテンツ配信や顧客側はすべて Microsoft テクノロジのものでした。
( 2 ) パーソナルで、かつ非常に関連性のあるサービスの提供
付加価値を最大限のものにするためには、FYE のすべてのインタラクティブ要素はできる限り関連性が高く、一貫性のあるものでなければなりませんでした。FYE.com にはパーソナルカスタマイズ機能が用意されてはいましたが、それを活用するためには、ユーザー登録してもらう必要がありました。最も大きな課題は、すべてのタッチポイントを横断する形でのカスタマイズを可能にし、増分価値を提供することにより FYE ブランドを差別化するというものでした。
( 3 ) ブランド知名度の向上
FYE ブランドの再立ち上げを成功させるためには、顧客にアプローチしてブランドの知名度を上げる必要がありました。Trans World 社では従来の印刷媒体、ラジオでの宣伝、テレビのコマーシャルやライブのプロモーションといった手法についてはかなりの専門知識がありましたが、インターネットでも同様のプロモーション活動が必要でした。接触機会をできる限り多くし、会社の「より多くの付加価値」というブランド戦略とぴったりとつながることが重要でした。
<ソリューション>
.NET Connected ソフトウェアですべて実現
FYE Messenger タブは映画、音楽、ゲームといったもののパーソナルなリストを提供します。アイテムをクリックすると、顧客はFYE.com に移動し、そこで更なる情報を得たり、購入したりすることができます。
多くの作業が完了しつつあった 2001 年の夏に、戦略の最後の構成要素となる .NET との出会いがありました。
「Microsoft 社での打ち合わせの席で、誰かが私に .NET グループのスティーブ ルイスと話をすることを勧めてくれました。当社が求めるサービスのビジョンを説明している最中に、彼は席を立ったと思ったら、その先の私の .NET に対する具体的な要求をさっさと描いてしまいました。この時はっきりとわかったのです。Microsoft は当社のビジョンを理解しており、.NET がそのビジョンを実現することができると」と会長付顧問のグレッグ ハーパー氏は語っています。
その後の数週間、Microsoft と Trans World 社は会合を重ねてアイデアを出し合いました。7 月末には相乗効果を確信しながら、一緒にソリューションに取り組みました。当面の目標としては、Microsoft のコンサルティングサービスが Trans World 社および Diamond Cluster 社と協力して、 6 週間以内に .NET を E-Works のインフラで稼動できるようにすること、そして 10 月にはパイロットを立ち上げるというものでした。「顧客や投資家の創造するそのブランドが関係している相手に依存して、ブランドの価値は構築されます。Microsoft と提携することにより、非常に貴重な機会を得ることができました」とホーガン氏は語っています。
Trans World 社がすでに達成した各ステップに、.NET を活用することにより早急に構築可能な項目が3つ定義されました。まずは、FYE の知名度の向上のために .NET プラットフォームで提供される「ユーザー体験」と統合するということ。次に、.NET プラットフォームのインターネット標準のサポートを活用して、既存の製品カタログ情報からデータを抽出し、これをすべての顧客にタッチポイントで提供するということ。最後に .NET サービスのタッチポイントの中で .NET Passport や .NET Alert を使って、より幅広いサービスとタッチポイントを提供し、その付加価値を向上させることです。
( 1 ) .NET ユーザー体験と統合してブランド知名度を向上
提携条件の 1 つとして、Microsoft が Trans World 社を音楽やビデオ小売の優先業者として指定するということがありました。FYE ブランドの知名度を上げるために、そして FYE.com および店舗へのアクセスを増加させるために、Windows Media.com や MSN® eShop といった .NET ユーザー体験に FYE.com へのリンク(店舗検索付き)が統合されました。
FYE は毎月 4900 万人が使用している MSN Messenger クライアントで表示されるタブも立ち上げました。このタブを介して、顧客はユーザー設定をしたり、個人的な嗜好にマッチした音楽、ビデオ、ゲームのリストを表示させることができます。興味のあるアイテムをクリックすると、顧客は FYE.com のサイトに移動して、さらに情報を得たり、場合によっては購入したりすることができるようになっています。顧客はタブから FYE.com に移動することによって、最寄りにある FYE 店舗の場所を調べることもできます。
( 2 ) カタログ情報データを流用してサービスを稼動
.NET プラットフォームのインターネット標準サポートを活用することにより、FYE では比較的容易にカタログ情報データをマスター製品カタログから抽出することができ、これにより Messenger タブや視聴ステーション、店舗キオスクなどで提供されているサービスを、より豊かなものにすることができるようになりました。Trans World 社の商品化チームが、Messenger タブの設定内容を参照して、まず最初にどの情報を提供するべきなのかといったデータの操作ができるようにするユーティリティも開発されました。
( 3 ) .NET Services :パーソナルで付加価値のあるサービスを提供
またパーソナルで豊かな、一貫した体験を複数のタッチポイントを横断して提供するために、.NET Passport および .NET Alerts が採用されました。これは XML Web サービスをベースとしており、Microsoft がホスティングを提供しているもので、インターネットから標準の Web プロトコルでアクセスすることができます。
・.NET Passport サービスでは、Windows XP、Messenger、FYE.com および店舗内キオスク等のほとんどの FYE ブランドがインタラクティブに提供されているポイントにおいて、顧客を同一 ID で自動認識します。Trans World 社では将来的に同社の .NET Passport ID と FYE Backstage Pass お得意様カードとの関係付けをし、同社の Web サイトや POP での顧客の購入パターンをより把握できるようにする計画もたてています。
・.NET Alerts サービスは、Messenger タブを使用しているユーザーに対して、より多く関連性のあるエンターテイメント情報を携帯電話や Messenger で提供したり、FYE のお勧めリストに項目を追加することができるようになっています。
これらは、それぞれ個別でも高い付加価値をもちサービスを強化することができます。しかし、これらを一緒に働くように設計することにより顧客はシームレスな FYE ショッピング体験をすることができます。たとえば、Messenger に(.NET Passport サービスで)ログインした顧客は FYE から .NET Alerts による通知を受け取ります。通知の内容を確認すると、自分の嗜好に合った新しいアイテムの紹介が提供されています。アイテムをクリックすると FYE.com に移動し、そこでまた自動的に認識されて、.NET Passport ID をベースにさらにパーソナルな情報が提供されます。
また別の方法として、ショッピングモールでウインドウショッピング中の顧客が FYE の店舗に入り、そこでキオスクを利用して興味のある商品の検索をするということも考えられます。キオスクのタッチ スクリーン インターフェイスから .NET Passport ID を入力することにより、取り引きを完了します。そして一旦家に戻って、今度はインターネットで FYE.com にアクセスし、自動的に .NET Passport ID の認証を受けて、キオスクで注文した商品の発送状況を確認することができます。これは本当にシームレスな体験であり、FYE ではこうして顧客一人一人に対し、より良質なサービスを提供することができます。
<システム概要>
XML. Web サービスで全機能を提供
.NET プラットフォームを受け入れることにより、Trans World 社はたったの 6 週間でブランドの知名度を早急に向上させて、シームレスなサービスを提供できるようになりました。FYE Messenger タブは遠隔地でホスティングされています。Windows 2000 Server、Microsoft SQL Serve™ 2000および .NET Framework をベースとするこのシステムは、本社にある Oracle ベースのマスター製品カタログからカタログのデータを抽出することができます。タブのユーザーインターフェイスは ASP.NET で稼動しており、これは Microsoft Visual Studio® .NET の Web フォーム デザイナで開発されたものです。すべての機能が XML. Web サービスとして提供されているため、将来開発される新しいアプリケーションを使うことになっても、インターネットを介して簡単にアクセスすることができます。「 .NET を使うことによって当社ではたった 6 週間で、しかも非常に手頃な値段で、膨大な量の機能と付加価値を顧客に提供することができるようになりました」(スキバ氏)
すべてのタッチ ポイントにおいて同一の ID で認識させるために、プロジェクトチームでは FYE.com を .NET Passport に対応できるようにしました。マイクロソフト コンサルティング サービスは FYE.com のデータセンターのハウジングに収納されている 1 台のサーバー上で存在するブローカーを開発して、Windows 2000 Server を Microsoft Internet Information Services 5.0 と一緒に導入し、顧客の .NET Passport ID と Solaris/Oracle/ATG Dynamo ベースの Web サイトのパーソナル機能をリンクさせました。
FYE.com にインストールされた .NET Passport プロキシにより、.NET Passport および .NET Alerts サービスの統合は単純なものになりました。構築するものは何もなく、すべて単純にインターネット上で標準インターネットプロトコルで呼び出せば良いのです。「 .NET 全体でサポートされている XML. Web サービスをベースにしているため、数行のコードですぐに呼び出せます。その容易さを考えると、.NET Passport と .NET Alerts によって提供される付加価値はものすごいものです」とスキバ氏は語っています。
システム構成図
Trans World 社では .NET プラットフォームを活用し、一貫性の高いパーソナルな顧客サービスを、幅広いタッチポイントを介して提供しています。
<導入の結果>
俊敏に、手頃なコストで、顧客と強力な関係を構築
Visual Studio .NET で開発されている Trans World 社の試作デスクトップ アプリケーションは、顧客のエンターテイメントの選択に関する調査をしたり、音楽や映画の整理をしたり、仲間と趣味の情報を分かち合ったりすることができます。
Microsoft との提携で .NET を受け入れることにより、Trans World 社は FYE ブランドを競合他社から差別化し、同社の戦略目標を速やかに、すぐれたコストパフォーマンスで達成することができました。Messenger タブと .NET Passport 対応キオスクをわずか 6 週間で導入という運びとなり、FYE は新しいサービスを、重要なホリデーショッピングシーズンに間に合わせることができたのです。
( 1 ) 顧客との関係強化
.NET のユーザー体験との統合により、FYE ブランドは毎日数百万人のユーザーに対して情報を提供しています。「 .NET のお陰であらゆるタッチポイントを経由し、しかも一人一人のユーザーの個人情報と物流の仕組みがリンクした形で提供することができるようになりました。さらに重要なのは、.NET が関連性の非常に高いパーソナルサービスを提供して、FYE ブランドの位置付けを高めてくれているということです。業績も早くも出ており、FYE.com での販売数および平均販売金額は飛躍的な伸びを見せています」とホーガン氏は語っています。
.NET は、FYE および顧客の両方の生産性を向上させる結果につながります。顧客には高度な一貫性のあるパーソナルサービスを提供し、求める商品の検索や購入が容易になります。Trans World 社にとっては「一部の店舗で既にキオスクや視聴ステーションを展開していますが、ひやかしから購入への転換率は大幅に向上しています。これを FYE の 700 店舗で展開する前提で見積ると、売り上げも収益も非常に改善されることになります」(ホーガン氏)
( 2 ) ビジネスの俊敏性の確保
また、.NET プラットフォームを利用して Oracle ベースのマスター製品カタログのデータを流用することによって、Trans World 社は将来的にもこれらの情報を再利用することができます。新しいアプリケーションやビジネス提携を行う際も、既存の XML Web サービスインターフェイスを介してソリューションを呼び出すだけで実現が可能です。顧客のタッチポイントを、若干カスタマイズするだけで拡張することもできます。
Trans World 社では既により多くの顧客価値を生み出すことができる Windows XP Professional で試作品を作成しています。これは Visual Studio.NET で開発されており、同社の既存の XML Web サービス インターフェイスを経由してマスター製品カタログにある膨大な情報にアクセスすることができます。さらに、これにより顧客はエンターテイメントの選択や、音楽やビデオの整理、MSN Messenger を介して仲間と感動を分かち合うといったことができます。
( 3 ) 優れた価値を手頃な価格で提供
そして最後に、.NET は Trans World 社がブランド認知度を上げて、競合より多くの付加価値を提供するといった、すべての目標を非常に手頃な価格で達成させました。「当社は小売業者であり、テクノロジ会社ではありませんが、.NET のおかげで比較的安価な市販のテクノロジを合わせることにより、たった 6 週間で当社のビジネスに大きく貢献する新しい、独自の顧客サービスを用意することができました。そして幅広く、あらゆるタッチ ポイントを経由し、しかもユーザーの個人情報と物流システムがリンクした形で情報配信することができるようになりました」(スキバ氏)
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