パイオニアはAV(音響・映像)機器事業をオンキヨーと投資ファンドの連合に売却する。AV機器事業を手掛ける子会社の株式の一部を残して売却し、オンキヨーと製品設計や部品調達、物流、販売面の共通化などで業務提携する。インターネットの動画・音楽配信の普及で需要が低迷するなか、AV機器大手2社は連合を組んで収...
パイオニアはAV(音響・映像)機器事業をオンキヨーと投資ファンドの連合に売却する。AV機器事業を手掛ける子会社の株式の一部を残して売却し、オンキヨーと製品設計や部品調達、物流、販売面の共通化などで業務提携する。インターネットの動画・音楽配信の普及で需要が低迷するなか、AV機器大手2社は連合を組んで収益改善を目指す。
パイオニア、オンキヨー、中国・香港の投資ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアが基本合意した。24日午後に発表する。パイオニア子会社でオーディオコンポなどの製造・販売を手掛けるパイオニアホームエレクトロニクス(川崎市)の株式の51%をベアリング側が取得し、オンキヨーも一部株式を取得する。売却金額は今後詰める。
パイオニアの2014年3月期のAV機器事業の売上高は全体の約5分の1の約1080億円。営業利益は1億円。売上高の7割を占めるカーナビゲーションなどを成長の柱に位置付けており、AV機器は他社との連携などの再建策を検討していた。船井電機やディーアンドエム(D&M)ホールディングスなどと交渉していた。
オンキヨーはパイオニアの持つ技術力を自社製品に生かし、部品調達などコスト構造を抜本的に見直す。パイオニアブランドを維持し、買収後も同ブランドによる製品開発を続ける。オンキヨーの14年3月期の売上高は360億円、営業利益は2億9100万円。アンプやスピーカーなど音響製品を得意としており、オンキヨーブランドで製品展開する。
ネットによる音楽配信の普及でAV機器の需要は低迷している。パイオニアはAV機器事業を切り離すことを優先する中で、売却候補に投資ファンドが浮上。オンキヨーもリスクの大きい事業を買収するのではなく、一部出資にとどめて業務提携による収益改善を見込めることから今回の枠組みとなったもようだ。
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