Windows 7から10への移行は進んでいる? Windows7がサポート終了する2020年に備えよ

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Windows 7の延長サポート終了は2020年1月14日。日本マイクロソフトは法人顧客におけるサポート終了の認知度を2018年6月末までに100%まで引き上げることを目指している

Windows 7の延長サポートが2020年1月14日に終了する。延長サポートの終了とともにセキュリティ更新プログラムが配布されなくなるため、同日以降にWindows 7を使うことはマルウェア感染や不正アクセスといったリスクの増大を意味する。つまり、あと2年ちょっとの間には、Windows 10への移行を完了しなければならない。

過去のOSサポート終了で最も騒がれたのがWindows XPだ。2014年4月のWindows XP延長サポート終了は「2014年問題」と呼ばれ、多くの組織で混乱を招き、終了まで最後の1年は駆け込みラッシュでの移行が相次いだ。にもかかわらず、サポート終了後もWindows XPマシンはかなりの数が残存したことが知られている。

現状で最もユーザー数が多いWindows OSであるWindows 7の延長サポート終了時も同様の混乱が予想されるが、日本マイクロソフトも手をこまねいているわけではない。Windows XPの教訓を生かし、サポート終了の2年以上前から入念な準備を進め、少しでも混乱を低減させようとしている。

同社会計年度で2018年度末(2018年6月末)までに、法人顧客におけるWindows 7サポート終了の認知度を100%まで引き上げる計画だ。

Windows XPサポート終了の教訓は生かされるか

Windows 7からWindows 10への移行でネックの1つとみられているのが、中小企業や地方自治体だ。楽天リサーチが2017年6月に実施したアンケート調査によれば、中小企業の半数以上がWindows 7のサポート終了自体を認識しておらず、7割近い企業が検証や移行はこれからと回答している。

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中小企業のWindows 7延長サポート終了に対する意識調査(出典:楽天リサーチ)

一方で自治体の場合、都道府県と都市単位での調査ともに7~8割程度がWindows 7のサポート終了を認識し、移行中あるいは移行計画があるとの調査結果が時事通信社から出ている。若干地域による偏りがあるというが、Windows XPの教訓から日本マイクロソフトは地方自治体への認知向上に努めており、その成果が現れたとみられる。

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地方自治体のWindows 7延長サポート終了に対する意識調査(時事通信社の地方行財政調査会の資料を基に日本マイクロソフトが作成)

最大の課題は、こうした情報が伝わりにくい地方の中小企業だ。2019年内のWindows 10移行完了を目指すには、サポート終了の1年前から動き出したのでは遅い。2018年のうちに、あらかじめPCの購入やOSアップグレードのコストを見積もって予算を成立させる必要がある。

そうした事情もあって、日本マイクロソフトは自治体と協力して地方の中小企業への告知を強化してく方針だ。

Windows 10はWindows 7よりセキュアなOSというアピール

早期の移行を促すためには、「サポート終了後のWindows 7はセキュリティリスクが高い」という点の認知に加えて、「Windows 10の方がセキュリティ面で安全で、管理上もメリットがある」という点をアピールしていくことが重要になる。

実際、2017年に猛威を振るったランサムウェア「WannaCry」の場合、ターゲットとなっていたのはWindows 7などの旧OSで、Windows 10では被害がなかった。こうした事例はWindows 10の早期移行の追い風になるだろう。

Windows 10では2017年春の大型アップデート「Creators Update(1703)」以降もセキュリティに関する新機能が盛り込まれており、企業向けの管理機能を駆使することで、マルウェアの被害をより強固に押さえ込むことが可能だ。

もっとも、OSなどソフトウェアの安全性に絶対はなく、最新技術を盛り込んだ改良を加え続け、新たに登場する脅威に備える必要がある。

しかし、従来はOSの更新サイクルを考えても4~5年以上、PCのリースアップのタイミングをみても、同程度の期間はOSの大規模な更新は行われず、テクノロジーの進化速度に置いて行かれてしまう面もあった。2009年のリリース当時は最新鋭だったWindows 7のセキュリティも、現在では比較的容易に破られる対象とみられている。

一方、Windows 10は定期的な機能アップデートを経ることで、セキュリティ面でも最新状態を維持しやすい構造になった。Windows 10では毎年2回の大型アップデートが約束されており、従来より細かい更新周期でOSの機能強化が可能だ。これにより新しい手法の攻撃を先回りする形で防御できる。地味ながら重要なポイントの1つだろう。

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Windows 10では年2回の大型アップデートを繰り返すことで、新しい脅威に対しても比較的安全な状態を維持できる

Windows 10を最新状態に保つ「Semi-Annual Channel」

Windows 10は年2回の大型アップデートで最新の脅威にも対応しやすくなる一方、大型アップデートの頻度が高まることは、企業にとって負担増となり得る。そのため、アップデートの負担を減らす工夫も講じられている。

2017年4月、Windows 10(およびOffice 365)の大型アップデート周期を年2回(3月ごろと9月ごろ)に固定し、企業ユーザーのアップデート期限を大型アップデートの配信開始から18カ月(従来は12カ月)に設定すると発表があり、アップデート計画を立てやすくなったことは朗報だ。

これに伴い、アップデートのタイミングに関する名称も変更されている。一般ユーザー向けの「Current Branch(CB)」とビジネスユーザー向けの「Current Branch for Business(CBB)」の名称で呼ばれていた標準的なWindows展開モデルは、「年2回更新」を意味する「Semi-Annual Channel(SAC)」という名称になり、両者が区別なく一律運用されるようになったのだ。

このSemi-Annual Channelはさらに「Targeted(日本語では“対象”)」と「Broad(または“表記なし”)に分かれ、それぞれ役割が与えられている。

Targetedは企業にとって事前検証フェーズであり、一部のPCを対象にアップデートの導入テストを行うための仕組みだ。Windows Updateからの提供に加えて、ボリュームライセンスからISO形式のインストールメディアも提供する。

そこから約4カ月の検証を経て提供されるのが、安定版に位置付けられるBroad(無印)のSemi-Annual Channelだ。Targetedの期間に出た更新プログラムが適用されており、Windows Updateで公開済みのモジュールはこの段階で更新適用済みモジュールに置き換えられて再公開となる。企業はこのBroadを広域展開していく形だ。

特に大規模な組織の場合、大量のクライアントPCの同時アップデートはネットワークの負荷も高く、トラブルが発生した場合のリカバーが厳しい。そのため、事前検証で少しずつ範囲を広げつつ、問題が起きないことを確認してから広域展開するわけだ。

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大型アップデートの名称変更後の「Semi-Annual Channel」は、役割により2種類が存在する
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2種類あるSemi-Annual Channelのそれぞれの役割

2017年10月公開の大型アップデート「Fall Creators Update(1709)」以降は、「Unified Update Platform(UUP)」という差分アップデートの仕組みにより、アップデートのサイズが最大3分の1程度にまで縮小される。

また、月例のセキュリティ更新プログラムについても開始時間の調整により「出社直後にアップデートで発生して作業ができない」という問題を回避できる他、アップデート中の操作不能な時間を短縮する改善が行われたことも相まって、ユーザーのアップデートに対するアレルギーの軽減が期待される。

「18カ月ルール」におけるWindows 10大型アップデートの流れ

以上を踏まえたうえで、年2回行われるWindows 10大型アップデート計画のタイムラインを見ていく。

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2種類あるSemi-Annual Channelのそれぞれの役割

まず開発プレビュー版の「Windows 10 Insider Preview」における機能評価や互換性評価が「先行評価」段階としてあり、大型アップデート正式版の配信開始から約4カ月間はSemi-Annual ChannelのTargetedに相当する「一部展開」の段階となる。その後、Broadとして「全面展開」の段階に至るといった流れだ。Semi-Annual Channelによる1つの大型アップデートに対するサポート期間は18カ月間となる。

この18カ月ルールでは、年2回の大型アップデートを全て適用していく必要はなく、1回だけならアップデートをスキップしてもサポートを継続して受けられる。ただし、18カ月間ギリギリまで次のアップデートを行わないといった運用は現実的ではない。アップデートを1回スキップする場合もTargetedとBroadのサイクルを利用して、組織内のPCを段階的に最新状態で維持するのが無難だ。

Windows 7サポート終了に伴う「2020年問題」は起こらない?

IDCの予測によれば、2018年前半にも日本でWindows 7とWindows 10のシェアが逆転し、2020年1月のサポート終了までにWindows 7のシェアは1割程度まで減少するとみている。日本マイクロソフト自身はWindows OSの稼働シェアを発表していないが、これに近い実感をもって行動しているようだ。

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IDCが予想するWindows 7とWindows 10のシェアの今後の推移

現状で分析会社サイトのNetMarketShareやStatCounterなどの調査報告を見る限り、IDCが報告するような正比例推移での逆転は起こらないようにも思える。例えば、NetMarketShareのデータを見ると、グローバルで企業を中心にWindows 7の利用率はいまだ高く、2017年10月時点で46.63%のシェアがあり、Windows 10の29.26%との差は大きい。

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NetMarketShareによるグローバルのデスクトップOSシェア推移

Windows XPの時代と比較して早期にOS移行のプロモーションが展開されていることに加えて、自治体の認知度も高い水準にある。Windows 10のシェアがWindows 7をいつ上回れるかはともかく、2018年から2019年にかけては企業ユーザーを中心にかなりハイペースでWindows10への移行が発生するのではないかと考える。


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